自己破産者の4人に1人以上が60代以上。定年後も住宅ローンが残る人が確認すべき3つの数字
30年後の光熱費まで考えていますか?
家を建てるとき、月々の住宅ローン返済額は誰もが気になるものです。
では、30年後の電気代はどうでしょうか。
その頃の住宅ローン残高は? エアコンや給湯器の交換費用は? 退職して収入が変わっても、無理なく払い続けられるでしょうか。
今回は、自己破産に関する調査と沖縄の電気料金の変化を手がかりに、長く住み続けるための家計について考えてみます。
自己破産者の28.55%が60歳以上
日本弁護士連合会の「2023年破産事件及び個人再生事件記録調査」によると、調査対象となった破産債務者1,233件のうち、60歳以上は次の割合でした。
では、その原因は住宅ローンなのでしょうか。
同調査で破産理由として「住宅購入」が挙げられた割合は6.08%。一方、「生活苦・低所得」は65.86%でした。
※複数回答。住宅購入者全体の破産率を示す数字ではありません。抽出された破産事件記録に基づく調査です。[1]
この数字から、住宅ローンが高齢者の破産を引き起こしていると断定することはできません。
家計が苦しくなる理由は、借金の返済だけではありません。
この現実は、これから家を建てる私たちにとっても無関係ではありません。
住宅ローンを払えていても、家計に余裕があるとは限らない
沖縄では40年・50年という長期の住宅ローンも選択肢になっています。
例えば30歳で50年ローンを組めば、完済予定は80歳。65歳で退職するなら、その後も15年間返済が続きます。
長期ローン自体が悪いわけではありません。月々の返済を抑え、その分を教育費や貯蓄に回すという考え方もあります。
ただし、返済が続く間に収入が変わることは、あらかじめ計算に入れておきたいところです。
20~30年前の「経済的だった家」は、今も経済的なのか?
沖縄のオール電化住宅を例に考えてみましょう。
以前は、割安な夜間電力を使ってお湯を沸かすなど、料金メニューと設備を組み合わせて光熱費を抑える仕組みがありました。
ところが、電気料金は時代とともに変わります。
沖縄電力は2023年に料金を改定。2026年4月には、既存のオール電化向け料金メニュー「Eeらいふ」も見直しました。
→
34.77円/kWh
→
26,767円
これは「オール電化よりガスが得」という話ではありません。契約条件や設備効率によって、どちらが経済的かは変わります。
お伝えしたいのは、もっと単純なことです。
20年前に有利だった料金体系が、20年後も続くとは限らない。
今から家を建てる私たちにも、同じことが言えます。
住宅ローンが終わっても、住居費は終わらない
65歳で住宅ローンを完済できたとしても、住まいにかかる費用がゼロになるわけではありません。
エアコンや給湯器の交換、屋根・外壁の修繕。長く住むほど、建物を維持するための支出が必要になります。
さらに、建築時に選んだ住宅性能や設備は、その後の光熱費にも影響します。
例えば、日射熱が室内へ入りやすい家では、その熱をエアコンで処理し続けなければなりません。電気料金が上がれば、同じ暮らし方でも支払額は増えます。
将来の電気料金を正確に予測することはできません。
外部から購入するエネルギーを、家の設計によって減らしておく。
これからの住宅には、そんな考え方も必要です。
確認しておきたい3つの数字
住宅ローンを検討するときは、現在の月返済額に加え、次の3つを確認しておきたいところです。
退職時点の住宅ローン残債
年間の購入エネルギー量と光熱費
退職後の毎月の家計余力
住宅ローンを返済できることと、無理なく暮らし続けられることは別です。
将来の負担に備える家は、エネルギーとの付き合い方が違う
将来の電気料金は分からなくても、電気をどれだけ必要とする家を建てるかは、今から考えられます。
沖縄なら、まずは強い日射を室内へ入れない窓や庇の設計。必要な断熱・遮熱性能を備え、冷房・除湿・給湯を効率よく行える設備を選びます。
太陽光発電を導入すれば、自家発電によって購入電力量を減らせます。蓄電池を組み合わせれば、昼間の余剰電力を夕方や夜間にも利用でき、機器の仕様に応じて停電時の備えにもなります。
ただし、設置すれば必ず得になるわけではありません。
太陽光のパワーコンディショナは10~15年程度が耐用年数の目安とされています。蓄電池にも寿命があるため、導入費だけでなく将来の更新費用まで見込む必要があります。[3]
必要なエネルギーを抑え、購入する電力を減らし、維持費まで考えられた家。
設備をたくさん載せること自体が目的ではありません。
建てるときの金額だけで、住まいの経済性は決められない
30年前に家を建てた人が、現在の電気料金まで予測するのは難しかったはずです。
私たちも、30年後の電気料金を正確に知ることはできません。
だからこそ、これからの家づくりでは、建築費と住宅ローンだけで判断しないことが大切です。
断熱・遮熱性能を高めた家、太陽光を備えた家、蓄電池も組み合わせた家。それぞれの初期費用と、将来の光熱費・設備更新費・修繕費を合わせて考える。
初期費用をかけすぎれば住宅ローンが重くなる可能性があります。反対に、建築費だけを抑えた結果、長年にわたって多くの光熱費を支払うことになるかもしれません。
必要なのは、どちらか一方ではなく、長期的なバランスです。
住み続けるための総支出で考える。
住宅ローンも、光熱費も。30年先まで見据えた家づくりを。
イシンホーム沖縄店では、住宅ローンの返済計画に加え、土地・間取り・住宅性能・太陽光・蓄電池まで含めて、家計への影響を考えていきます。
答えは、ご家庭の条件によって変わります。
将来の金利や電気料金を当てることはできません。だからこそ、複数のケースを比較し、無理なく暮らし続けられる資金計画を考えてみませんか。
住宅ローンを返せる家ではなく、返しながら、ずっと暮らしていける家へ。
